【この記事で学べること】
- クロールが上達する3つのコツ
- クロールで水に浮く姿勢
- クロールの泳ぎ方(手足の使い方)
- クロールの息継ぎ
この記事は以下の方向けにまとめました。
- クロール上達のコツを知りたい方
- クロール初心者の方
- クロールを人に教えている方
クロールには「上達するためのコツ」と「基本の動き方」があります。それを学べば初心者であっても長く、速く、楽に泳げるようになります。
そこでこの記事では、「クロールが上達する3つのコツと泳ぎ方」について徹底解説します。
クロールが上達する3つのコツ
平泳ぎが上達するコツは3つあります。
- コツ1.水に浮く姿勢をつくる
- コツ2.息継ぎのとき、無理に体を傾けず、水の中に入れた腕を前に伸ばす
- コツ3.息を吸うときは大きく上を見る
ここから具体的な内容をご紹介しますので、一緒に見ていきましょう。
クロールのコツ1.水に浮く姿勢をつくる
クロールのコツ1つ目は、「水に浮く姿勢をつくる」です。まずは水に浮く姿勢をマスターしましょう。前に進むことよりも、浮くことが大事です。浮くからこそ、前に進むことができるからです。

特に重要なのは「沈みやすい下半身が浮いていること」「姿勢よくいられること」です。
もしも、下半身が沈んだり、体の軸が崩れて姿勢が悪くなると、水の抵抗を強く受け、前に進みにくくなります。そのため「水に浮く姿勢をつくる」ことが大事です。これは平泳ぎや背泳ぎ、バタフライにも共通しています。
クロールのコツ2.息継ぎのとき、無理に体を傾けず、水の中に入れた腕を前に伸ばす
クロールで前に進む力(推進力)出すための動きに、「体を傾ける動作(ローリング)」があります。
この動きで大事なことは、無理に体を傾けるのではなく、水の中に入れた腕を前に伸ばすことです。その結果、自然に体が傾きます。


もしも無理に体を傾けたり、傾いた体のバランスを取るために動きを制御すると、疲れるだけでなく、前に進む力が損なわれます。体の自然な動きを大事にしましょう。
クロールのコツ3.息を吸うときは大きく上を見る
クロール初心者の方は、大きく上を見上げて息を吸いましょう。それにより息継ぎが楽になり、呼吸に対する恐怖心が和らぎます。

ただし大きく上を見ようとして、顎が上がらないように気をつけましょう。顎を軽く引き、水中で伸ばしている腕と頭が離れない姿勢が大事です。
補足:クロールを練習する「おすすめの順番」
クロール初心者は、下記順番で練習するのがおすすめです。
- 水に浮く姿勢
↓ -
足の使い方(バタ足)
↓ - 腕の使い方(ストローク)/体の傾け方(ローリング)
↓ - 息継ぎ
※水に対する恐怖心がある方は、水に慣れることから始めましょう。その場合のおすすめは、背泳ぎから始めることです。
クロールの泳ぎ方1.水に浮く姿勢を身につける
水に浮く姿勢を身につけましょう。なぜなら浮かないと前に進めないからです。大事なのは「前に進むことよりも、浮くこと」。これがクロールの第一歩です。

※浮く姿勢では、特に下半身が浮くことが重要です。おすすめする練習は「背浮き・伏し浮き」です。詳しくはこちらの動画をご覧ください。
また、泳いでいる最中に下半身を浮かせる(沈まないようにする)ポイントはこちらです。
ポイント1.顎を引き、上半身(腕と胸)を沈める
息を吸い、腕を水の中に入れた後は、顎を軽く引き、上半身(腕と胸)を沈めましょう。腕を沈めることで下半身が浮きやすくなります。

ポイント2.振り幅の小さいキックをする
バタ足は振りを小さくすると下半身は沈みにくく、浮かせやすくなります。詳しくは以下「クロールのコツと泳ぎ方|足の使い方(バタ足)」でご紹介します。
クロールの泳ぎ方2.足の使い方(バタ足)
クロールのキックはバタ足です。前に進む力の2割はバタ足から生まれるため大事な動きです。具体的な足の使い方を見ていきましょう。
足の甲で水を後方に押す
バタ足では足首に力を入れず、足の甲で水を後方に蹴ります。
バタ足のコツは「足首に力を入れずスナップを効かせる」「足の甲で水を叩く」こと。大事なのは、1蹴りで大きな威力を出そうとせず、弱いキックでいいので回数や頻度を増やすことです。

まずはゆったりとしたバタ足でも泳げるようになりましょう。その上でバタ足の回数や頻度を上げるのがおすすめです。
振り幅は小さくする
弱いキックでもいいので、バタ足は振り幅を小さくしましょう。振り幅を小さくすると下記理由から、下半身が沈みにくく、前に進みやすくなるからです。
- 足が水上から出すぎない
- 蹴り下ろしで足が深く沈まない
- 動きが止まらない
- バタ足の回数や頻度を増やせる
一方で、強くキックするために振り幅が大きいと「足が水上に出すぎる」「蹴りおろしで足が水中深くに沈む」「蹴り終えた一瞬、動きが止まる」など、下半身が沈む要素が多くなります。

※詳しくはこちらの動画をご覧ください。
→ 【クロール】バタ足【速く泳ぐ・楽に泳ぐ】それぞれの蹴り幅は?【コツ・テクニック】
※バタ足の練習に関してはこちらの動画がおすすめです。
クロールの泳ぎ方3.腕の使い方(ストローク)
クロールの腕の使い方(ストローク)は、細かく分けると6ステップになります。
- ステップ1.キャッチ(水を掻き始める)
- ステップ2.プル(水を押す)
- ステップ3.フィニッシュ(水を掻き終える)
- ステップ4.リカバリー(腕を前に戻す)
- ステップ5.エントリー(腕を入水させる)
- ステップ6.グライド(腕を前に向けて伸ばす)
ここから具体的な内容をご紹介していきます。
※初心者は「腕を真っ直ぐにした状態で回す」ところから始めても大丈夫です。慣れてきたら各ステップを練習しましょう。
ステップ1.キャッチ(水を掻き始める)
キャッチとは、水を掻き始める動きで「水中で片腕が伸びている状態〜腕が顔の前辺りに来るまで」の動きです。


「前に進む力(推進力)」をつくる第一歩として、手のひらで水を掴み(押せている感覚を作る)水を後ろに押します。
■ キャッチのコツやポイント
- 肘は軽く曲げる
- 手のひらはパーの形で後方に向ける(指には力を入れない)
- 顔はキャッチを始めると同時に動かし始める
- 息は止める(息を吸った後〜キャッチが終わるまで)
ステップ2.プル(水を押す)
プルとは、水を押す動作で「キャッチの後、腕(上腕)が脇腹にくっつくまでの動き」です。


手と腕全体(前腕・上腕)を使って水を押し、前に進む力(推進力)を作ります。
■ プルのコツやポイント
- 手と腕(前腕・上腕)で水を押す
- 腕は体の近くで動かす
- 手のひらはパーの形で後方に向ける(指には力を入れない)
- 徐々に腕を加速させる
- 息を吐き始める(徐々に吐き、次のステップで吐ききる)
ステップ3.フィニッシュ(水を掻き終える)
フィニッシュとは、水を掻き終える動作で「腕(上腕)が脇腹にくっついた状態〜肘が伸び切り、腕全体が体の側面にくるまでの動き」です。


しっかり水を押して体を前に進めることが大事です。同時に腕の動きを止めずに次のステップに流れるように入っていきます。
■ フィニッシュのコツやポイント
- 二の腕を使い水を後方に押す(後方とは進行方向の逆側のこと)
- 腕は体の近くで動かす
- フィニッシュからの流れで次のステップに入る(腕は止めない)
- 腕の加速は一番早い状態にする
- 息を吐ききる
ステップ4.リカバリー(腕を前に戻す)
リカバリーとは、腕を前に戻す動作で「フィニッシュ直後に腕を水上に出し、水に入れる直前までの動き」です。



ステップ1〜3からの流れで、腕の動きを止めずに回しましょう。
■ リカバリーのコツやポイント
- 肘を高くして、手先と前腕は肘よりも下げる
- 親指を先行させるように動かす
- 肩や肩甲骨を回すイメージで行う
- リカバリーの腕を入水させるよりも先に、顔を水中に沈める
ステップ5.エントリー(腕を入水させる)
エントリーとは、腕を水の中に入れていく(入水させる)動作で「腕を水に入れる直前〜腕を水に入れ終わるまでの動き」です。

腕を水の中に入れる前に、顔を水面につけるのも大事です。もちろん初心者には難しいので、慣れてきたらで大丈夫です。
■ エントリーのコツやポイント
- 手のひらを斜め下向きにして、親指からスライドさせるように水に入れる
- 肘は軽く曲げる(伸ばしきらない)
- 腕の入水時に動きを止めない/スピードを落とさない
ステップ6.グライド(腕を前に向けて伸ばす)
グライドとは、水中で腕を前に向けて伸ばす動作で「腕を入水後〜水をかき始める直前までの動き」です。

腕を前に伸ばすことで、「前に進む力(推進力)を持続する」「体重を前に乗せ、前進しやすくする」ことができます。
■ グライドのコツやポイント
- 腕を前に向かって真っ直ぐ伸ばす(肘は軽く曲げておく)
- 手先ではなく、脇腹から肘を前に伸ばすイメージで行う
- 伸ばしている腕と頭が離れないようにする(顎を引き、肩の位置は耳の横近くになる)
※詳しくはこちらの動画をご覧ください。
クロールの泳ぎ方4.体の傾け方(ローリング)
ローリングとは、体を傾ける動作で「水中の腕を前に伸ばし、もう片方の腕で水を後ろに押すことで、自然に体が傾く動き」です。

体を傾けることで肩が水上にでます。それにより水の抵抗が減り、息継ぎが楽になり、腕を大きく動かせます。
■ ローリングのコツやポイント
- 無理に体を傾けず、体を動かす流れで、自然に体を傾ける
- 体が真横を向かないようにする
※詳しくはこちらの動画をご覧ください。
クロールの泳ぎ方5.息継ぎの方法とタイミング
息継ぎのコツは「吐く、止める、吸う」を適切なタイミングで、丁寧に行うことです。
また「腕掻き2回・1呼吸」のペースで行いましょう。
それぞれのポイントはこちらです。
息を吸う
息を吸う時は口呼吸です。片腕を水上に出して、回し始める時に横を向き、口で息を吸います。

ポイント
- 初心者のうちは大きく上を見て息を吸う
- もう片方の腕(伸ばしている腕)と頭が離れないようにする
- 顎を軽く引き、頭頂部が高く上がりすぎないようにする
- 息を吸う方向は、向きやすい方で大丈夫
息を吐く
息を吐くときは、水中で鼻から吐きます。タイミングは、プルからフィニッシュにかけて徐々に行いましょう。
息を止める
息を吸った後は、一時的に息を止め肺に空気を入れましょう。タイミングは、息を吸った直後〜プルの直前まで。これにより浮きやすくなります。
呼吸のペース
呼吸は「水掻き2回につき1呼吸」のペースで行いましょう。初心者は左右のどちらかで、顔を上げやすい方で行いましょう。利き腕のように動きやすい方向があるはずです。また、慣れてきたら両方で息継ぎできるようにしましょう。
※詳しくはこちらの動画をご覧ください。
クロールのコツと泳ぎ方|まとめ
このページでは下記のように「クロールのコツと泳ぎ方」をご紹介しました。
- クロールのコツは「浮く、自然な動き、息継ぎ」の3つ
- クロールのコツと泳ぎ方|水に浮く姿勢を身につける
- クロールのコツと泳ぎ方|足の使い方(バタ足)
- クロールのコツと泳ぎ方|腕の使い方(ストローク)
- クロールのコツと泳ぎ方|体の傾け方(ローリング)
- クロールのコツと泳ぎ方|息継ぎの方法とタイミング
クロールはコツを学び、基本を練習すれば、楽に長く泳げるようになります。この記事が少しでもお役に立てば嬉しく思います。